第51回 商売繁盛セミナー

去る8月29日、アクトシティ浜松 研修交流センターにて第51回「商売繁盛セミナー」が開催されました。
今回講師に迎えたのは、顧客ロイヤルティ協会 理事長を務める伊藤秀典さん、理事 研修部長の高木雄子さん。消費者の視点に立った経営研究・普及活動を行う同協会によるCSの概念を、仕組みや心理的分析を交えて解説しました。

まず第一に、顧客満足とはお客様【を】満足させることではなく、お客様【が】満足することである。主役はお客様。お客様が満足しているか、相手の立場になって考えることが大前提と唱えます。
満足の定義はお客様が自分自身の基準によって納得を得られるかどうか。そこにはお客様自身がお金を払っていると感じるコアサービス、付随のフリンジサービスの2つがあると高木氏。
コアサービスとは顧客を区別せず一律に提供するサービスであり、フリンジサービスとは企業努力や個々の気づきによるプラスアルファのサービスを指します。このフリンジサービスは公平である必要はなく、顧客【が】満足することを考えて行動すれば、期待を超えた満足に繋がっていくという。
では一度得られた顧客と継続的に信頼関係を築くにはどうすれば良いか、グッドマンの法則を用いながら解説。グッドマンの法則によれば、お客様から寄せられる否定的な意見を苦情ではなく「ご指摘・ご相談」と捉え、迅速に誠実に対応することこそ、顧客維持へ最も重要ということ。こうして得られた贔屓客のもたらす生涯価値を見込めるのです。
最後に根本のサービス内容を見直すにはどうするか。そこで効果的なMOT(Moment Of Truth:決定的瞬間)サイクルを紹介しました。顧客と従業員の接点を全て挙げ、あらゆる局面で顧客の抱く感情を洗い出す作業のことです。自分が担当している部署以外でお客様とどんな接点があるのか理解すること、自分が顧客の立場であったらどうしてもらいたいか?考え気づきを与えられる利点があると言います。個々のサービス提供者による判断が会社の印象を左右する、と理解することがサービスの質と柔軟性を高めていくと説明しました。
身近な例え話やエピソードを交え、伊藤さんと高木さんの掛け合いも朗らかなセミナーは、満席のご参加を賜り大盛況のうちに終会しました。

【浜松商売繁盛セミナーとは】

地域の頑張る会社・商店を応援する勉強会です。
各方面で活躍する一流の講師陣を迎えて商売繁盛のヒントにつながるさまざまなテーマを取り扱っていきます。

▼ MOTサイクル